FOODone dish

思い出のバミー・ヘン

Bamii Talad Ngoen Wichit

今から8年ほど前。
「新鮮な蟹を食べに行こう!」と、ウォンウィエンヤイから各駅停車の
オンボロ電車で港町マハチャイへ向かう道中のこと。
この駅から目的地のマハチャイ行きの電車は1時間に1本で、
「まだ出発まで40分もあるよ。」と駅長さんに言われて、
暇を持て余した私たちは駅近くを散策することにしたのだった。
と言っても、この辺りはまったく馴染みがなく、
あてもなくぶらぶらするしかないなぁ…と思いながら何気なく目をやった先に
''Talad Ngoen Wichit'' という小さな生鮮市場があり、地元の人で賑わっていた。
おそらくマハチャイから運んできたと思われるシーフード、
生きたカエルや鶏に野菜、コ・クレットで作られている素焼きの食器など、
小さい市場ながら品揃えが豊富で見ているだけでもなかなか楽しい。

見事な連携プレーで次々とバミーを作る屋台のおばちゃんとその助手?!

その市場の真ん中あたりに、小さな屋台があった。
真っ赤な口紅の恰幅の良いおばちゃんが手際よくバミーを作っていて、
その屋台を囲むように並べられたアルミテーブルに、たくさんのお客さん。

「なんか気になるよね…。」

時計を見るとまだまだ出発まで時間あったので、
「とりあえず食べてみよっか。」と、席を確保して、
バミー・へンとバミー・ナームをオーダー。
「ギャオ(ワンタン)入れる?美味しいわよ〜!」
「あ、じゃあ入れて!」
注文を取りにきた若い女の子にそう伝えて待つ事5分。

バミー・ヘン

シンプルだけど、この、麗しい姿!そそられるわ〜…
見ただけで美味しいのわかる!まずは調味せずに一口。

ムー・デーン(焼豚、直訳すると赤い豚)は、その名の通り、
赤い腐乳ベースの甘めの下味がついていて、しっとりした焼き上がり。
ギャオ(ワンタン) は、胡椒がたっぷりの豚ひき肉がジューシーな食感。
そして手打ちの細い平麺に、ナムマンホイ(タイのオイスターソース)や
ナンプラーが香るタレが絡めてあります。
トッピングの揚げニンニクもいいアクセント!
調味せずとも、こんなにおいしくいただけるバミー・ヘンは初めてかも?!
ああ、幸せ…。

バミー・ナーム

バミー・ナームは、タイではあまりお目にかからないワカメが入ってて、
スープはケミカルな感じが一切ない、ちゃんとお出汁を取った味。
とても優しい塩加減が、じんわり染み渡ります。胡椒をひとふりすると、また格別。
う~ん!こっちも捨てがたい!

結局、私たちはヘンとナームをおかわりしてそれぞれ2杯ずつのバミーを
平らげたのだった。(ねぇ、蟹のこと忘れてない?!)

その後、予定通りマハチャイに行き、「新鮮な蟹」をたらふく食べた。
もちろん、とっても美味しかった。美味しかったんだけど…
でも、あのバミーのインパクトと余韻で、蟹の味ほとんど覚えてない。(笑)

「とりあえず」で食べたバミーのおいしさにすっかり心を奪われてしまった私は、
毎年Talad Ngoen Wichitに通うようになった。
おいしいバミーの屋台はバンコクにたくさんあるだろうけど、
偶然の出会いと思い出が相まって、
この屋台のバミー・ヘンは、私にとって未だに一等賞なのだ。

2013-08-04 19:05:40byAya Miyake

  • ตลาดเงินวิจิตร(Talad Ngoen Wichit)